外出時に「鍵をかけたかな?」「ガスを消したかな?」と不安に思うことは誰にでもある事です。実際にはめったに忘れていることはないのですが、それでも不安が頭によぎってきます。
こういう日常的によく見られる程度の不安であれば良いのですが、それ以上に確認し続けたり、スイッチを確認し続けたりしなければならないほど頭から不安が消えないようだと日常生活に支障が出てきます。こういう状態を強迫性障害と言います。
強迫性障害には、強迫観念または強迫行為のどちらか、または両方が見られます。
強迫観念とは、反復的、持続的な思考、衝動、または心像であり多くの人に強い不安や苦痛を引き起こすことがあるものであり、またそれを打ち消そう、中和しようとする思考でもあります。たいていの場合ご本人は頭では「ばかばかしい」「考えすぎだ」と気づいてはいるのですが、それだからこそ頭に浮かんで消えない不安に苦しむのです。
そして強迫行為とは、その強迫観念に駆り立てられて、あるいは反対にその強迫観念からくる不安や苦痛を予防したり、緩和したり、または何か恐ろしい出来事や状況を避けるためにする行為のことを指します。
自分ではばかばかしいとわかってはいるのだけれど、それでもドアの鍵が完全にかかったかどうか1時間以上も確認せずにはいられない、電気を消したかどうか何度も何度も確認せずにはいられないため結局なかなか外出できない、あるいはそんなことがあるわけがないと思いながらも、恐ろしい出来事が起きないために何度も何度もお祈りの言葉を口にせずにはいられない、決まった手順で儀式的な行動をしなければ何か大変なことが起きそうで不安になるなど思い当たることがあれば、一度専門的な相談をお勧めします。
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