実はまだ読みかけの本なので、ここで取り上げるのも迷ったのですが、ぜひとも取り上げたい言葉や文章が埋もれている著書であり、私自身の植物に対する見方を大きく広げてくれた本なの、ここに紹介します。
それは
「庭仕事の真髄 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭」
スー・スチュワート・スミス 著
和田佐規子 訳
築地書館
実は私も以前から盆栽や植木に興味があり、園芸療法とまではいかないものの植物の人を癒す力について内心感じていたのです。
ホームセンターで買ってきた苗木やポットを家にある植木鉢に植え替えて、水をたっぷりと上げて陽に当ててあげる。ただそれだけのことをするだけで上手く根付いた花や木は、少しずつ少しずつですが成長し、葉が茂り、芽がでて、花を咲かせてくれる。
この営みを通じて、なぜか私自身も気持ちがほっこりと、そして少し誇らしく、「やった~」「このまま大きくなれよ」という独り言が出てくるのです。
さらに秋になり冬に近付くと、残念ながら落葉樹の場合、葉は見事に消え去ってしまい、まるで「枯れたんじゃないのか?」と心配になるような裸木の姿になります。ところが再び春が近づく様子を見せるにつれ、あの枯れたような枝にうれしくなるような次の生命力の芽吹きが!!
この時が一番「あ~生きててよかった(私も、木もですが)」という気持ちになり、更に心から癒された感覚と喜びが湧いてきます。
この感覚は植物を世話したことがある方なら、同意してもらえるのでは?
この本はそういう私の実感を何と心理学の理論を添えて裏打ちしてくれる名著ですね。
植物の癒しの力や園芸療法の力を説明にするのに、私の知っている人だけでもウイニコットからエリクソン、ハロルド・サールズ(!)ピアジェ(!)、更には錬金術まで出してくるからにはユングなども背景にあるのでしょうね。それに加えて被虐待・非行犯罪者の更生・発達障害やPTSD、パニック障害、さらに脳神経理論などを見事に絡ませて納得させてくれます。
この本を読み始めてから「園芸療法を学んでみようかな」という気持ちになってきつつある今日この頃の私です。
興味があれば皆さんも、一度のぞいてみてはいかがでしょうか?
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