「前へ踏み出す勇気」と「後ずさりしない勇気」

<前へ踏み出す勇気>

坂道を登る時の第一歩は、次の一歩を招いてくれる。

なぜなら最初の一歩は、登り続ける覚悟に背中を押されているからだ。

そこには「未来」への勇気がある。

「前へ踏み出す勇気」は「未来を信じる勇気」だ。

 

しかしだからと言って彼が本当に登り続けられるかどうかは、彼にもわからない。

 

疲れたら休んでも良いんだ、誰かに休むことを非難される理由はどこにもない。

 

その場に留まるということは、その「いま」を生きているということ。

「未来」を生きるには、次の一歩を踏み出さなければならないけれど、

その一歩を踏み出し続けている時、その時に「いま」はない。

あるのは「いつか、どこか」だ。

 

「いま、ここ」は立ち止まらなければ現れない。

立ち止まることによって「いま、ここ」の自分が生まれてくる。

 

 

<後ずさりしない勇気>

しかし「いま、ここ」は点でしかない。

「未来」はその点を線にして「いつか、どこか」へつなぐ。

「過去」は自分を振り返って「かつて、あそこ」へと結びつけるが、

「後ずさり」は振り返る間もなく、後ろへと流されていく。

後ろ向きに転倒すると、勢いで坂道を転げ落ちることになりかねない。

 

線は点よりも、長い。

しかし点は線よりも、深い。

 

立ち止まることは、外に流れる時間から身を外して、いまの自分自身と深く向き合うこと。

 

「いま、わたしは、なにがしたい?」

「いま、わたしは、どんなきもち?」

「いま、わたしは、なにをかんがえている?」

 

「いま、ここ」を大切にしよう。

「いま、ここ」があるから「かつて、あそこ」から「いつか、どこか」がうまれてくる。

 

 

「いま、ここ」に踏ん張って、「後ずさりしない勇気」が大切だ。