何もかも言葉で言い表すことができるわけじゃあない。
言葉はいつも何か形のあるものになぞらえて語ることができるだけだ。
現実のことに言葉をあてがうだけ、そういう風にしか表現できない。
現実がそこにあっても、それにあてがう言葉を持ち合わせていなければ、
口をつぐんでいるしかないじゃないか。
ならば、誰かのひっそりとした沈黙を、
いうべきことが全くないことの証拠だと思わないように。
簡単に言葉にしがたいことをたくさん持っているのかもしれないのだから。
<ヴィトゲンシュタイン 『哲学的考察』より>
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