みんなどこか欠けている。完璧な人なんていない。
13歳で「ちばてつや賞・優秀新人賞」を受賞するも、その後精神的に調子を崩し、精神病院に入院する生活を余儀なくされた少女漫画家・道草晴子さんの15年間の私生活漫画です。小さいころから繊細で感受性の強かった少女が、友達の関わる手段として得意だった漫画を書き始めました。しかし人間関係と思うように漫画が描けないストレスも相まって不安が高まり、見るに見かねた家族が受診を勧めたところから、入院生活が始まります。
その様子を切ないほどの赤裸々に4コマ漫画で語られています。
診断名は「統合失調症」
彼女はその診断に従って15年間の入院生活を送ったのです。
ところが・・・・15年を超えたある日、病院を転院することになり新しい病院で新たに心理検査を受けたところ・・・・・なんと「統合失調症」などという診断は明らかな誤診だったことが判明します。
その結果新たに診断された病名は「発達障害」!
こんなことが許されるのかでしょうか!?
道草さんは作品の中でその時のことを淡々と描かれていますが、お医者さんというのは病名を診断するということで、人の人生を大きく左右する立場にいるのです。
もっとももしお医者さんの立場を少し説明するのなら、発達障害という障害が世間にはっきりと登場してからまだ20年~30年。道草さんが最初に受けた当時では、まだ「発達障害」という言葉もあまり普及していなかったかもしれません。
しかし実は今でも精神病院に「統合失調症」などの病名で長期入院していらっしゃる患者さんの中には「発達障害」の誤診を受け入ている方がかなりの程度いらっしゃるのではないか、という声も聞きます。
何とか早く正しい診断と対応をする必要があると強く思わずにはいられません。
道草さんは今、漫画を描きながら学童でアルバイトをして子供たちと接している毎日だとか。
最後のページで道草さんは学童の子供たちに「しあわせに なってくれと ねがう」と書かれていますが、道草さんこそこれからの人生をしあわせに送ってほしいと心から願わずにはいられません。
興味を持たれた方はぜひ、どうぞ!
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