「希望と言うのは片方に絶望があって、絶望の深い闇の中から一条の光が差してくる」
五木寛之さんの言葉です。
先日、ロバート・レッドフォードさん主演の映画「オール・イズ・ロスト」を観てきました。
舞台は大海原、そこにボートの事故から嵐に見舞われで漂流する男が一人。それがレッドフォードさん演じる「Our man」。
セリフはほとんどなく、登場人物も彼一人。
観客である我々は「Our man」に自分自身を投影し、孤独で死に直面しながらも必死で希望を失わずに、いや絶望に飲み込まれずに戦い続ける疑似体験をするのです。
レッドフォードさんが演じる男は、人生経験も、知恵も、勇気も持ち合わせた、自信に満ちた男性でした。しかし、大自然と向かい合うと人間の力など限界があります。
彼が漂流の途中で自信を失いかけた時に、自分がこれまで如何に自信過剰な生き方をしてきたのか、に思い至ります。
そしていよいよ絶望に飲み込まれてしまった彼は・・・・・
現在上映中の映画なので、ネタバレはNGですが、まさしくこの言葉通りの映画でした。
五木寛之さんはこうも言います。
「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」
「傷みや靴を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、究極のマイナス思考から出発したのだ」
と。
ただただ自分の力だけで何とかしようとあがいていると、
ますます溺れてしまうのかもしれません。
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