笑う門には福来る?「ジェロト・フォビア」とは?

最近週刊誌を読んでいたら、脳科学者の池谷裕二さんが連載の中でこんなことを書いていました。

 

「…最近、笑うことが減ったことに、ふと気づいたのです。子供の頃は、それこそオシッコをちびりそうなほど大笑いしたものです、最近はあんなふうに心の底から笑い転げる機会はめっきり減ってしまいました・・・」

 

そうだよな、そうですよね。

ホント最近心の底から大笑いするなんてことはめったになくなりました。私も少し前にそれに気が付いて車通勤の間に落語や漫才を聞いたりしていましたが、またここ最近本当に笑顔が減ったなぁ・・・。

 

その文章の中で池谷さんが<ジェロトフィビア>という障害に触れていましたが、ジェロト・フォビアとは<被笑恐怖症>という意味らしいです。つまり人に笑顔を向けられることが怖い。

 

なぜ池谷さんがこの話を書いたのかというと、昨年スイスのチューリッヒ大学のプラット博士が発表した「ジェロトフォビア」に関する論文を読んだのだそうです。いろんな研究もあるもんだ。

 

その論文の中では「笑われるのが怖い人は自分からもあまり笑いかけないだけでなく、仮に笑うにしても、笑うまでの反応が遅く、笑っている時間も短い」と報告されているとか。

 

また「人がせっかく親しげに笑いかけてくれているのに、『その笑顔には裏の意味があるはずだ』と勘ぐる」傾向もあるのだとか。

 

さらに「ジェロトフォビアの人は一般に人生の満足度が低い」のだそうで、全く良いことが無い。

 

落語の世界では「小言幸兵衛」というような、なんでも一くさり渋い顔で小言を言わずにおれない人物が登場しますが、それ以外の熊さんや八さんのようなのんきな長屋の人々は幸兵衛さんを陰で笑っています。

 

その落語を聞いて楽しんでいたのですから、案外平均的な日本人はみんな幸せな人生を送っていたのでしょうね。

 

池谷さんだけでなく、私ももうちょっと笑うことにしましょう。

その方が楽しい人生が送れるでしょうから。(・・・て、無理に笑ってもダメか???)