カサンドラ愛情剥奪症候群とは、イギリスのマクシーン・アストンとオーストラリアのトニー・アトウッドさんが詳しく論じているアスペルガー症候群(以下アスピー、これは蔑称ではなく海外ではASDの方が自身を指す言葉として用いられているそうですよ)のパートナーを持つ男女に見られる心理状態だということです。
具体的にどういう状況から始まりやすいかというと、アスピーの人はどうしても相手の気持ちに気が付きにくい傾向がある。ひどい時には、何気なく言った言葉がパートナーの気持ちを逆なでしたり傷つけることがあるようです。
ここら辺りは、「アスペルガーと定型を共に生きる」(北大路書房)や「一緒にいてもひとり」(東京書籍)を読むと痛いほど良くわかる。
ちなみに「アスぺルガーと定型を共に生きる」から抜粋すると
“(奥さんが)・・・3年前に入院の際の一時退院の時、「こんなんでも、私が家にいた方がいいかな?」と尋ねた”時、アスピーの旦那さんはどう答えたと思いますか?“別に、いてもいなくても、どっちでもいい”と答えたそうです。
当然奥さんとしては“もちろんいてほしいに決まっているよ”という答えを期待したでしょうし、普通(?)考えれば定型発達の考え方としてはそう答えてあげた方が奥様の体調にも良いだろうと思うはずです。
しかしご主人は、そういう奥様の気持ちには気づかず、どうやら「家事一般は僕がきちんとこなして、今のところ問題ない」という気持ちから、前述のような答えをしたらしいのです(後日の奥さんの推測ですが・・)
こういう気持ちのすれ違いというか、アスピーのご主人の対応が何度となく繰り返され、奥様にとってもう耐えられなくなったということです。(この2冊を読むとこういうたぐいのやり取りが数限りなく出てきますよ。もうびっくり!)
こういう具合に、まるで一方的に「愛情を剥奪されたような」被害体験を繰り返すことで心理的に不調をきたした状態をカサンドラ症候群、というのだそうです。
もっともご主人の人格上の問題とか、二人の愛情の問題というよりも、アスピーのご主人の特性がもたらした状況である、ご主人が嫌がらせや嫌味をしているのではない、と気がつけばかなりの程度、許すことができていくようですが、ご主人がアスピーであると診断されていなかったり、気が付いていなかったりすると、事態は最悪の状況を迎えるのも致し方ありませんね。
では、カサンドラ症候群の具体的な症状としてはどういうようなものがあるのでしょうか?
長くなるので、それはまた明日。
~思春期・青年期の不登校・発達障害、成人の発達障害・不適応に~
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