最近の青年に見られる「悩みを抱え込めない弱さ」

「最近の青年に見られる」などと書くと、また「今の若いもんは・・・」的な文章になりそうなので気をつけたいと思いながら、やはり書かずにはおれない、という気がします。

それは「悩みや葛藤を抱え込めない」人が増えている、ということです。

これは成人についても同じかもしれませんが、私がスクール・カウンセラーとして勤務している中・高校や、大学生と接していて感じることです。

 

例えば、先日起きた広島の同級生殺人事件。これと同様の事件は、もちろん以前にもあったのですが、それにしてもあまりにも怒りを行動に移すのが早い。同調した青年たちも、詳しい事情を聞きかじっただけで、その真偽を確認したり、粘り強く交渉で関係を修復するということができない。

 

イライラや葛藤や悩みなどの感情を抱え込んで、内省して何とか相手と関係の修復を図ろうという粘りやエネルギーというものに欠けている。

 

その反対方向で、最近の青年に多く見られるのが、人間関係などで困っているのは確かなんだけど、それ以上やはり何とか相手と交渉したり関係を作り直したりせずに、すぐに引きこもったりリスカなどの行動に走ってしまう。

 

先の例が他者に対する陽性の行動化だとすると、後者の現実逃避は陰性の行動化と言われるものでしょう。

 

ネガティヴな感情を胸に駆け込みながら、それでも関係を改善しようとたり、交渉を続けようとするということは大変なエネルギーと自己コントロールが必要です。その点で「最近の若い者」は一様に、悩みや葛藤や不満を抱え込んで自分の中で昇華させたり、自己成長へとつなげる能力とエネルギーに欠けているのではないか、と思うのです。

 

こういう時代に必要なカウンセラーの力量とは何なのか?

最近はそれを考え続けています。

 

みなさん、いかがですか?