不眠・寝付けない・夜中に目が覚める


睡眠は私達に取ってとても大切な働きです。ただ睡眠障害と言っても色々なタイプがあります。睡眠の量や質についていえば、「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「目が覚めた後眠れない」「朝起きてもすっきりしない」「なかなか朝が起きられない」などなど。また睡眠のリズムが来るって昼夜逆転することもあります。

 

そういうタイプとは別にいわゆる不眠の原因に問題がある場合もあります。例えばゲームばかりして夜更かしするな、毎日の生活パターンに原因がある場合と、こころに何か問題を抱えていてその結果睡眠に問題が出てくる場合などです。生活パターンに問題がある場合は、毎日の生活日程表と睡眠記録表(何時ごろ布団に入り、何時ごろ寝入ったか、その後夜中に起きたか、朝は何時に目が覚めたかなど)を記録していき日々の生活パターンを見直しましょう。また睡眠外来に受診して睡眠を改善する方法もあります。

 

後者の場合は例えばうつ病などは早朝覚醒が良く見られます。逆に双極性障害では全く眠くならないほど覚醒度が上がります。それ以外、心理的なストレスやさまざまなこころの問題を抱えた時に、人間の生理的機能としての食欲と睡眠欲にその影響が現れます。ですから睡眠は身体だけでなくこころの健康のバロメーターでもあるのです。

 

ただし睡眠時間だけがバロメータではなく、目覚めた時に「よく眠れた。スッキリした」という熟眠感が大切でしょう。


不眠障害・過眠障害


睡眠障害のうち、まず不眠障害について説明します。

いわゆる不眠には 

1)入眠困難:寝付けない

2)再入眠困難:夜中に目が覚めた後寝付けない

3)早朝覚醒 などがあります。

このような状態が少なくとも1週間に3夜でおき、しかもそれが3カ月間持続する場合、不眠障害とみなされます。

 

人間にとって睡眠欲と食欲は生理的な必要欲求です。

それが十分にみたされない時、単に体調不良に陥るだけでなく、精神的な不調につながります。また逆に精神的な疾患や不調が起きている時、睡眠が不良になることもしばしばみられます。

そういう意味で良い睡眠は健康のバロメータでもあります。

 

最近はゲームにはまって、なかなか十分な睡眠がとれずに昼夜逆転したり、日中に疲労感が残って調子を崩す子供たちも多く見られます。今一度生活リズムを見直す必要がありそうですね。

 

逆に過剰な眠気と睡眠時間が問題となるのが、過眠障害です。これは一日の睡眠時間が少なくとも7時間持続するにもかかわらず、過剰な眠気の訴えがあり、1)同じ日のうちに、繰り返す睡眠期間がある 2)1日9時間以上の長い睡眠があっても回復感(爽快感)がない 3)急な覚醒後、十分に覚醒を維持するのが困難である、という症状のうち一つが必要とされます。

 

つまり十分すぎるほど寝ているのにも関わらず、すっきりしない、目が覚めて入るのだがどうしても眠気が振り払われずに活動に支障がきたす、というような状態です。

 

不眠にしても過眠にしても日常生活を健康に送るには支障があるのです。


概日リズム睡眠ー覚醒障害群


これは端的に言うと、一日における睡眠のリズムがくるってくるという障害です。具体的には「睡眠相後退型」と「睡眠相前進型」が主な症状です。「睡眠相後退型」は文字通り睡眠のリズムが次第に遅れてずれはじめ、その結果日常生活を送る昼間に過剰な眠気が襲ってきます。逆に夜は寝付けなくなり、場合によっては朝方まで眠れず昼夜逆転になってしまいます。ただそのリズムがどんどんずれていくとそのうちまた平均的なリズム(夜寝て朝起きる)に戻りますが、しだいにまた遅れ始めてきます。「睡眠相前進型」は逆に眠気が次第次第に早い時間にやってきます。いわゆる「朝型」の生活リズムが進行し続けるのですが、日中は眠気に襲われるようになり生活に支障が出ます。

 

この二つの型以外にも「不規則睡眠ー覚醒型」や「非24時間睡眠ー覚醒型」夜間交代勤務の人に多く見られる「交代勤務型」などもありますが、いずれにしても日常生活を送る状況が一般的な誠克リズムである場合は、健康な睡眠の概日リズムが狂ってくると支障が出てくることに違いはありません。

 

これらの症状から不登校になったり、生活がしにくくなることも有るので、もし症状が現れたら睡眠外来を受診して、「メラトニン」などのサプリメントを飲むなど、何らかの対応をすることをお勧めします。


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