適応障害


適応障害はDSM-5では心的外傷およびストレス因関連障害群の中の一つに挙げられています。

 

読んで字のごとく、何らかのストレスに対して適応できない状態が続いているということですから、そのストレスの内容については特に限定はされていません。

 

PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすストレスが「実際にまたは危うく死ぬ、重傷を負う、性的暴力を受ける出来事」からくるストレスを対象としていることを考えると、適応障害の場合はそれ以外の広い範囲でのストレスを対象としているのです。

 

 

ちなみにDSM-5の診断基準をあげると

A.はっきりと確認できるストレス因に反応して、そのストレス因の始まりから3か月以内に情動面または行動面の症状が出現

B.そしてそれがそのストレス因に不釣合いな強度をもつ著しい苦痛を与えており、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の重大な障害を与えている証拠がある、とされています。

 

少し文章が硬くて分かりにくいですが、具体的に言うと「何かの状況や出来事がとてもストレスフルで辛く、耐えがたいために気分が憂鬱になったり不安になり、身体面の自律神経症状となって現れたり、あるいは行動面でいろいろと不都合な症状が現れてくることもあります。

もっともそのストレスとなる状況や出来事が終了したり、距離を置くことができるようになれば症状はなくなります。ただ6か月以上にわたってなかなか症状が消えない場合、持続性の適応障害と言われます。

 

ただしたとえば身近な誰かを亡くしたという「正常な死別反応」は適応障害には含まれません。