統合失調症は読んで字のごとく、「脳内の精神機能を統合(まとめあげる)機能の調子が悪くなった」状態です。私たちの精神活動は様々な外界・内界の刺激を受け取る感覚・認知やそれをまとめ上げる思考、さらに色々な状況や刺激に湧き起る感情などがあります。それらのネットワークをまとめ上げることができなくなってきた時に、様々な症状が現れます。
たとえば実際にはあるはずのないものが現れてくる「妄想」や「幻覚」などを陽性症状と言います。「妄想」は実際に起こるはずのない状況や信念が感じられ、たとえば誰かに見張られている、だまされているという「被害妄想」や自分は天才だとか大発明をしたという「誇大妄想」など、たとえそれと矛盾する証拠を突きつけられても「訂正できない誤った信念」を言います。「幻覚」とは実際にはあるはずのないものを見たり、聞いたり、感じたりする体験です。声が聞こえてくるという「幻聴」や他の人には見えないものが見えるという「幻視」などが典型的な幻覚です。
陰性症状とは、喜怒哀楽の感情が乏しくなり、他人や外界への興味関心がなくなってくる「感情の平板化」、何かに集中する力がなくなり、学業や仕事の能力が低下して、場合によっては自発的な行動がなくなってしまう「意欲の喪失」、考える力も低下して会話の量や内容がまとまりもなくなり、話が不自然に脱線したりまとまりのない、意味不明の会話になってしまう、また場合によっては話しかけても全く答えることができなくなる「思考の低下」が見られます。
統合失調症の診断には、これらの症状のうち、1)妄想2)幻覚3)まとまりのない発語、のどれか1つは必ず見られることが求められ、さらに4)ひどくまとまりのない行動 5)陰性症状(感情の平板化・意欲欠如・思考の低下)のうち一つが見られることが求められています。
詳しくはやはり専門医に受診することをお勧めします。
統合失調症の治療には薬物療法は必須です。専門医による診断の上治療に当たってください。場合によっては心理療法も行われますが、必ず主治医の許可を得てから取り組んでください。
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