社交不安障害


「社交不安」という言葉はあまり聞きなれた言葉ではありませんが、意味としては昔からわが国で使われてきた「対人恐怖」という言葉と同じニュアンスだと思って良いかもしれません。つまり自分の行動や態度が人からどう思われるか、が気になってしかたがない状態です。

 

DSM-5の診断基準によると

A.他の人からの詮索の対象となりそうな社会生活場面で起こる著名な恐怖や不安で、そのような場面が1つ、あるいはそれ以上ある。

B.自分のとる行動や不安な態度が変に思われるのを恐れる。

ということが大体6か月以上続いているというのが主な基準です。

 

具体的にはあまり親しくない人との会話や交流、あるいは飲食の場面などで緊張が著しくなったり、相手からどう思われるだろうかと不安になり、そういうい場面を回避しようとする、あるいはひたすら我慢している状態です。また人と関わる場面ではいつもそういう不安や恐怖に襲われるということが必要で、たとえば特別な状況やたまにしか起きない状況で不安になるのは普通の不安だということができるでしょう。ただしその不安や恐怖が大勢の人の前で話をしたり、何か動作をすることだけに限られている場合は、特別に「パフォーマンス限局型」とされます。

 

社交不安障害を持つ人は、大体において素直、従順で、なかなか自己主張をすることが苦手です。場合によっては会話自体が苦手で、小さな声や硬い姿勢、視線も合わせられない内気な印象を与えます。お店に入っても店員に注文することが苦痛だという方もいらっしゃいます。

 

最近の子供達の様子を見ていると、大きく二つの傾向があるように感じます。一つは「相手の気持ちがわからない」タイプ。これらは発達障害傾向の子供たちです。そしてもう一つはこの「人の目が気になってしかたがない」タイプ。たとえば友だちからSNSなどで送られてきたメッセージにどういう返事をすればよいか、とくよくよと迷うタイプです。「こう書けば、どう思われるだろう」「ああ書けば、もしかしたら悪くとられるかもしれない」と1時間も2時間も迷っている高校生もいました。こうなってくる「今の時代はSNSがあって便利だけれど、人によっては大変不幸な時代かもしれないななんて思ったりもします。

 

この社交不安障害は不登校の子供たちの中にもたくさんいらっしゃいます。

子供だけではありませんね、ママ友とか、PTAとか、いろいろと大変ですね。